2026年9月2日水曜日

【第136話】つぶやき(その11)失望・絶望の底に突き落とされた者のみが持ち得る「悪夢を吉夢に転換させる」という秋山豊寛さんから託された夢を秘めた今朝のゴーヤ(26.9.3)

8月26日、秋山豊寛さんが急死した。秋山さんとは4年前に三重県伊勢市で1回会っただけ。しかし、それは忘れられない記憶を刻んだ(それについての追悼報告>こちら)。

311で福島から国内避難民となった秋山さんの経験は、4年前の出会いの際にも強烈に伝わってきた。そのとき、彼はふと、半分独り言のように、原発事故で受けた人権侵害すら回復できない日本社会(そこには日本市民も含まれていた)の不甲斐なさを口にした。その重たいつぶやきは、311で味わった彼の失望、絶望の深さを垣間見せてくれるものだった。
しかし、彼は単に自分の不幸をかこっていたのではなかった。もしそうだったら、わざわざ山の中から三重県伊勢市までやって来なかった。彼もまた、失望・絶望の底に突き落とされた者のみが持ち得る「悪夢を吉夢に転換させる」という、もうひとつの夢を抱き続けていた。
しかし、当時、彼がそのような困難な夢を抱いているとは全く気がつかず、ぼんやり見過ごしてしまった。だから、「対話」できなかった。これが何としても悔やまれる。

今朝、娘がこんなのが採れたと見せてくれた。それは小さいゴーヤの実だった。けれど、そこには曰く言いがたい生命力がみなぎっていた。しばらくそれを眺めながら、秋山さんの「悪夢を吉夢に転換させる」というもうひとつの夢はこんなゴーヤにこそ宿るのだと思った。それは、白人支配の下で『見えない存在』として生きたアメリカの黒人の姿を四世紀の歴史の中から掘り起こし、この人々の内なる世界に声と言葉を与えたトニ・モリスンを髣髴とさせるようなエネルギッシュなゴーヤだった。

        2022年8月、伊勢市でのチェルノブイリ法日本版の学習会で

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【第136話】つぶやき(その11)失望・絶望の底に突き落とされた者のみが持ち得る「悪夢を吉夢に転換させる」という秋山豊寛さんから託された夢を秘めた今朝のゴーヤ(26.9.3)

8月26日、秋山豊寛さんが急死した。秋山さんとは4年前に三重県伊勢市で1回会っただけ。しかし、それは忘れられない記憶を刻んだ(それについての追悼報告> こちら )。 311で福島から国内避難民となった秋山さんの経験は、4年前の出会いの際にも強烈に伝わってきた。そのとき、彼はふと、...