今年の夏、養老孟司の「脳化社会」論を知り、目からウロコだった。
たとえば、
これまで、1987年6月に独裁制を退場させ民主化を成し遂げた韓国社会は私にとって、民主化の輝かしい成功例のひとつとして理想のモデルとなった。
その一方で、韓国社会は、その後、民主主義社会の中で世界一の自殺率をほこる国となった(※1)。つまり世界一生きにくい国となった。
いったいどうなってるだ、韓国は?
理想と絶望の同居という不可解な謎が私の前に現れた。
そして、この謎は「脳化社会」論というメガネで初めて解けるような気がした。
自殺にせよ何にせよ、紛争はそこにかかわる関係者全員の正体を否応なしに明るみにするリトマス試験紙である。
韓国社会の自殺問題から、「脳化社会」論というメガネで韓国社会の正体を解いたように、私は福島原発事故から、「脳化社会」論というメガネで原発事故後の日本社会の正体を解いてみる積りだ。
しかし、これは試行錯誤、自問自答、沈思黙考のパンセ(※2)。
この作業がいわば植物が芽吹き、茎や葉が茂り、花が咲き、身がなるごとく、止まることなく「生成し続ける」作業として成就することを願う。
そして、ここから得られた認識が次の新たな行動として活かされること、それが最終目標。この作業は、ちょうど映画製作での脚本つくりにあたる。
では、出発するぞ。
(※1)韓国における自殺(ウィキペディア)
韓国の自殺率はアジア通貨危機(1997年)直後の1998年から急増し、2003年以降は2017年以外は一貫してOECDで最高の自殺率の国となっている。
韓国における自殺は、OECD30カ諸国の中で最も高い割合であり、OECDによれば2002年以降、人口10万あたりの自殺者数で日本を超え、2003年から2021年まで、2017年にリトアニアに抜かれた以外は一貫してOECD加盟国中で最悪の自殺率であった。
(※2)パスカルの「パンセ」中の覚書
一六五四年 十一月二三日 月曜日、
・・・夜十時半頃から十二時頃まで。
火
「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」
哲学者や、学者の神ではない。
確実、確実、感情、歓喜、平和、
イエス・キリストの神。
「わたしの神、またあなたがたの神。」
「あなたの神は、わたしの神です。」
この世も、何もかも忘れてしまう、神のほかには。
神は福音書に教えられた道によってしか、
見いだすことができない。
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