2025年2月12日水曜日

【第89話】2025年のつぶやき7:ジソブがとうとう結婚した(25.2.13)

韓国ドラマ「カインとアベル」(2009年)主演のソ・ジソブ

昨日、あのソ・ジソブがついに結婚したことを知った。
311のあと、頭の中がグジャグジャになり、原発事故という未曾有の異常事態とどう向き合うのか逡巡する中、目の前に現れたのが古代イスラエルの旧約聖書の預言者たちだった。
人権も憲法もない古代イスラエル国家の圧制のもとで、思い切り逡巡しながらも、圧制に抵抗して避難(出エジプト)を説き、実行に移したモーセ。「暗い見通しの中で希望を語り続けた」預言者エレミヤたち。 
その中で、日本の映画・ドラマは観ることができなくなり、唯一、惹きつけられたのは韓国のドラマ「エデンの東」「カインとアベル」。


「エデンの東」第2回「父の死」
そこには、お前が死んでも墓を暴いてでも復讐するといった不退転の執念が描かれていた。
そこに登場したのがソ・ジソブ。
彼の演技を超えたリアリティに一も二もなく惹きつけられた。
そのあとの彼が出演するドラマにも惹きつけられた(「ゴメン愛してる」「バリの出来事」)。
それは市民の手で独裁制を退場させた1987年の民主化後の韓国が舞台だったが、彼が演じる登場人物はみんな民主化された韓国の中での悲劇・苦悩を象徴的に示していた。

それは、昨夏気づいた「もうひとつの独裁制」である「脳化社会」の塀の中に生きる悲劇・苦悩だった。
だが、その悲劇・苦悩を演じるジソブ自身の次第にその殺伐としていく風貌を見ていて、彼は実生活の中で、その悲劇・苦悩に耐えられず、押しつぶされてしまうのではないかと思った。

……しかし、とうとう彼は同伴者を見出した。
四半世紀前の盟友パク・ヨンハの自死を乗り越えて、新しい絆を作っていこうと一歩前に出た彼に心から祝福したいと思った。
そして、ジソブ、もう一歩前にーー君がドラマで散々演じてきた舞台、現在の韓国=「もうひとつの独裁制」である「脳化社会」、その塀の外に出ることをめざそう、今度は同伴者もいるし。

0 件のコメント:

コメントを投稿

【第108話】2025年の気づき10:住まいの権利裁判、「損害の欠缺」の補充の法理を考えている中で、初めて「欠缺の補充の(具体的な)法理」の意味を突き止める経験をした(25.6.11)

◆ はじめに 311後の日本社会の最大の法律問題ーーそれは原発事故の救済に関する全面的な「法の欠缺」状態の解決である。なぜなら、311後の日本社会は原発事故の救済に関して、これまでの「法治国家」から「放置国家」に転落したから。ただし、これはひとり国家だけの責任ではない。法律家も含...