2025年1月13日月曜日

【第53話】パンセ:池田直樹の「とおる声、とおらない声」より(25.1.14)

 谷川俊太郎司会の「声の力」の中で、声楽家の池田直樹が「とおる声、とおらない声」という見出しで、こう述べている。

ヴァイオリンの音を不思議だと思ったことはありませんか。
ヴァオリン協奏曲では一人の独奏者の後ろに、第1ヴァイオリン8人、第2ヴァイオリン8人が弾いているのに、独奏者のヴァイオリンの音が際立って聞こえてきます。
独奏者だけが特別に大きな音を出しているわけではありません。
不思議でしょう。
それは、優れた音質が可能にしているのです。
声も、音量ではなく、音質が優れていることが大事なのです。
それは、才能の差以上に、力が入っていない、力んでいないということが大事なようです。
(91頁)

これもまた、声の力とは、喉=声にあるのではなく、全身全霊に宿ることを示すもの。
そして、「力が入っていない、力んでいない」とは、【第52話】で書いた、聴衆を捉えるのは「自分のからだの覚えた言葉」で発するとき、に通じるもの。

0 件のコメント:

コメントを投稿

【第124話】つぶやき(その5):世界感覚の重要性(2026.2.8)

 パスカルは、1654年11月23日、次のようなメモを記し、そのメモを生涯、肌身離さず身に付けた。 一六五四年 十一月二三日 月曜日、 ・・・夜十時半頃から十二時頃まで。    火 「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」 哲学者や、学者の神ではない。   確実、確実...